「保」
「保」の漢字は「亻」にんべんが、つくかつかないかで意味がずいぶんと変わる印象ですね。「呆」がぼうっとした弱いものです。そのような赤ちゃんのように無垢な存在をそばで見守ることができる、弱いものに寄り添ってあげる優しい心の持ち主として成長して欲しいです。
褒める(ほめる)という漢字がありますが、この漢字の中にも「保」が入っているのがわかりますか?この「褒」の(ほ)、は「保」自体を子どもとしています。「衣」は衣服を表し、子どもを衣服の懐に入れて抱っこしている姿を「ほめる」と表したそうです。大昔は、子どもを抱っこして褒めながら子育てしていたのでしょう。子どもを懐に入れて褒めて育てることが普通だったのでしょうね。今も最近は褒めて育てることが推奨されていますが、なんでもかんでも褒めるのではなく、上手な褒め方があるようです。お父さん、お母さんも勉強して下さいね。
「呆」は頭の大きな人、いわゆる子どもですね。その未熟な子どもの無邪気な姿を指して「呆れる」と読み、その子どものそばで支える人が横で見守っているのです。子どもの成長には、そばで見守ってくれているという安心感が大切です。
この「保」は女の子の名前の止め字で「ほ」と使うと可愛らしい響きでいいですね。保育や保母さんの「保」でもありますから、見守ってもらえているという安心感があります。豊かな安心した環境で、はぐくみ育てる意味で、「志保」という言葉があります。ある企業で、人の成長と社会の繁栄は、両輪をなすとの考えで、人事、教育部門のスローガンとして使われています。良い人材育成にはある程度の使命感や方向性を持たせないと出来ないのでしょう。人を育てるのは難しいです。
「保」の意味、由来、命名
会意兼形声文字です。「呆」の部分が産着をまとった子どもの姿。
「亻」は人間の人です。保は産着で包んで大切に守るなどの「意味から保護、保有となり、守ると言う意味から、「やすんずる」の意味も生まれて、「保安」となり、保証、担保など責任を持つ意味にも広がっていったようです。「保」だけで、産着、おむつという意味もあります。
画数 9画
音読み ホ、ホウ
訓読み たもつ
名乗り・名付け
(お、たもつ、まもる、まち、もり、やす、やすし、より)
意味
- 外と取り巻いて、中のものを大切に守る
- やすんずる、たもつ、外から守って安全を維持する
- 責任を持って受けあう、保証、担保
- 付き添ってお守りをする
- 姓のひとつ
「保」を使った女の子の名前は、
「ほ」の読み方では、
「花保ちゃん」(かほ)16画
「裕保ちゃん」(ゆうほ)21画
「誌保ちゃん」(しほ)23画
三文字で
「志保里ちゃん」(しほり)23画
「知保里ちゃん」(ちほり)24画
男の子のでは
「やす」
「保孝くん」(やすたか)16画
「保満くん」(やすみち)21画
「保晴くん」(やすはる)21画
参照 学研 漢字源辞書
平凡社 白川静博士の漢字の世界へ
三省堂 漢字んな話 前田安正・桑田真 著