漢字

「杏」の意味、由来、命名

「杏」

「杏」の漢字は、木の実を表し、この木の実の杏の中にある「杏仁」は古くから漢方薬の麻黄湯などで使われ薬効成分があります。中国では、この字を使った、製薬会社や大学がありますが、お医者様のことを杏林(きょうりん)と呼ぶそうです。

中国に伝わる故事に由来し、廬山というところに董奉(とうほう)というお医者様がいました。彼は人に尽くすために治療を行って治療代を受け取らず、代わりに病気が治った人には、記念として杏の苗を植えてもらいました。

そうして、いつしかの杏の木がうっそうと茂り大きな林が出来上がったようです。この故事から以後、名医のことを杏林と呼ぶようになりました。


こんな由来を考えると「杏」は、尊い字ですね。人の病を治し、治療費もとらずに、薬効のある樹をたくさん植えさせるなんて本当に人の為に働ける素晴らしい人ですね。

そういう、心意気のある子どもに成長してくれることは、お父さん、お母さんも誇りに思えます。たくさんの実をつけて、人々に施せるような心の優しい子どもに育つようにと希望を持った命名が出来ます。

 花言葉が、「疑惑」や「疑い」となっていて、気にされる方がいますが、これも中国にある故事が由来と言われています。

「李下に冠を正さず」という故事で、杏のことではなく、季(スモモ)で、この故事の意味としては、「木下で冠を直していると、木の実を取ろうとしていると疑われるから、やめなさい!」という意味です。

スモモと杏を混同して杏の花言葉に「疑惑・疑い」になったようですから気にしなくて良いと思います。「早すぎた恋」「乙女のはにかみ」などは、杏が桜より少し早く咲くからが由来のようですから、これも気にしなくても良いです。

呼び名による音の影響からみてみると、一字名になりますが、「杏」で物事の始まり「あ」最後の「ん」ですから、何事も始めたことは責任を持ってやり通す意志のある子どもであるようにと、命名してあげることも出来ます。

フランス語では、アンは「1」を表しますから、数字の持つ意味からカリスマ性を備えた子どもになる要素も含まれています。この字も左右対称の演技の良い漢字となっています。

「杏」の意味、由来、命名

会意兼形声文字です。「木」と「口」で口に食べておいしい実のなる木をあらわします。バラ科の落葉高木で、銀杏の木の実も意味します。

画数   7画

音読み  キョウ、コウ、ギョウ

訓読み  あん

名乗り・名付け

(あん、あんず)

意味

  1. あんず、果樹の名、梅に似た果実、実はやくようする
  2. 銀杏、イチョウの実
  3. 姓のひとつ

「杏」を使った女の子の名前

「あ、あん」の読み方では、

「杏音ちゃん」(あのん)16画

「杏南ちゃん」(あんな)16画

「樹杏ちゃん」(じゅあん)23画

「澪杏ちゃん」(れいあ)23画

男の子のでは

「きょう」で、

「杏祐くん」(きょうすけ)16画

「杏哉くん」(きょうや)16画


参照 学研 漢字源辞書

平凡社 白川静博士の漢字の世界へ