未分類

親子で同じ漢字を使って命名

親子で同じ漢字を使ってはダメ!?

お父さんの名前から一文字取って男の子に付けると、親を超えられない!?と言われています。

この根拠はなんでしょう。

主君や高貴な人から名前の一字をもらうことを「偏諱」(かたいみな)と言います。主君からもらうわけですから、名前の前に付けるのが一般的でした。大名家の長男は、将軍の「諱」の一字をもらうことが流行します。

戦国時代からはますます浸透していき、12代将軍足利義晴、13代将軍足利義輝の時代には、多くの有力な戦国大名が「晴」「輝」の名をもらっていた。
例.武田信玄(晴信)、上杉謙信(一時期輝虎を名乗る)

それが、一般化されていき、織田信長の家来の豊臣秀吉は「秀」の字を信長の父信秀からもらっています。

武田信玄などは、「晴」の字は将軍からもらったものなので、家来には使えず、信玄曾祖父の「昌」を与えたそうです。

この流れは、江戸時代に入り制度化されていきます。

将軍は、大名に一字を与え続けることとなり、後継ぎの長男は元服と同時に「偏諱」をもらっていました。

そのため、江戸時代後期になると、名前を見るだけで、有力大名は、どの時代に元服したかが分かるようになったそうです。

島津家の例で、島津重利(1729-1755)、島津重豪(1745-1833)、9代将軍徳川家重(在位1745-1760)の代、続く島津斉宣(1774-1841)、島津斉興(1791-1859)、島津斉彬(1809-1858)、十一代将軍徳川家斉(在位1787-1837)の時代だと分かります。

この根底にあるのが、謀反などを起こされないように、家来や下のものを押さえつけておくという思いがあったからです。自分より出世しないように、自分を超えることのないようにとの思いですから、あまり、いい思いはしませんね。

ですから、その漢字が好きで使いたいというならばあまり問題にしなくても良いですが、家の継承のためや、絆を固めるためなどの意味を込めて命名に使うのはよくないのです。母親の考えで、父親の字を男の子に入れるということでしたら問題ありません。

また親子で同じ字を使うといっても、お母さんの名前の一字を赤ちゃんに使いたい場合や、お父さんの名前の一字を女の赤ちゃんに使う場合も気にしなくも良いです。

男親から男の子へ、という場合にだけ気をつけて下さい。