「真」
まこと、真実、純粋、嘘がないと真っすぐで正直な印象を与えます。漢字の由来は何通りかありますので、迷われるお父さん、お母さんもいるかと思いますが、この字はたくさんの赤ちゃんに使われていて、良いイメージが真っ先に頭に思い浮かぶはずですから、命名に使ってもなんの問題もありません。
「真」の漢字は、以前「悠真くん」の記事で簡単に解説しましが、もう少しだけ詳しくまとめてみました。
真っすぐで、真面目に育って欲しいとは、どんな両親でも思いますよね。純粋な意味があり、赤ちゃんの命名では、いろんな良い意味を込めて使える漢字のひとつです。
「眞」と「真」はどちらも人名用漢字で、旧字体も比較的書きやすいですから、命名に使えますし、どちらも10画です。男の子の名前では、止め字につかう「ま」とすれば、優しい感じになります。好みですが、「ゆうき」や「かずき」より「ゆうま」「かずま」にした場合に印象が柔らかいです。
もちろん、女の子の場合も可愛らしい感じで使えていいと思います。
「真」の字は怖い?
人間が生きている間は、肉体も精神もずっとそのままではありません。永遠のものなど存在しないことは明らかです。死後の正解は変わることなく、いつか死にゆき、そこで初めて真実の姿になることが出来る。
肉体をもってこの世に生きる姿は仮の姿で、死んであの世へ行くのは永遠の「まこと」の姿を表すとして、この字が充てられという説も存在します。古来の人々は、そうした死生観をもって、死に対する恐怖や先に旅立った人との悲しみをいさめてきたのでしょか?生と死は人間として生まれた限り、切っても切り離せないものです。
漢字は3千年以上も前の中国の人からの言葉です。
三国志に登場する曹操の言葉で、「命の長さや短さは、天が決めるだけではない。新進を磨けば、長寿も引き寄せることができるのだ。」
又、詩人の孤高の詩人、陶淵明の書記、「まずは万物の変化と一体なって、死に帰るとしよう。天命なるものを楽しみ、何も思い惑うことはない。」
時代は違えども、その時々、永遠の真の姿となるその日までの限りある時間を、真実を求めて、すべての人が生きています。そう考えると、「真」の漢字は恐ろしいよりも、純粋さや真摯という意味での解釈でよさそうですね。最近、東京のFMで「漢字トリビア」という番組があり、そちらで聴いて、引用させていただきました。
「真」の漢字の意味、由来
これは、会意文字ですが、旧字体の「眞」から成り立ちが分かります。「眞」の文字の上部の「匕」が「さじ」、スプーンですね。下の「県」が「鼎」が器(うつわ)です。器にスプーンで料理を詰め込むところから、空の状態ではなく中身がいっぱいになり「まこと」であるとなりました。
真摯な状態で、嘘偽りのない様子で「純粋で汚れがなく、まっすぐ」な様子ですね。
以前「悠真くん」の記事で書きましたが、もう一つの意味が、「匕」とは人を逆さまにした形、「県」は人の首を逆さま懸けた形を表すとして、この二つの文字が合わさった漢字「眞」は死者を表すとされました。この意味から、命名には「眞」を使わないという考え方もあります。でも、この「眞」の字も秋篠宮家の眞子内親王さまにも使われているのですから、この悪い印象の由来は気になさらなかったのでしょうね。
画数 10画
音読み シン
訓読み ま
名乗り・名付け
(さだ、さな、さね、ただ、ただし、ちか、なお、ま、まき、まこと、まさ、ます、また、まな、み)
意味
- まこと、うそや欠け目がない、充実していること
- 欠け目なく充実した状態
- 儒家では誠といい、道家では真という。
- 実在のいる人の官
- まことに、本当に、実に、
- 姓のひとつ
- ま、本当に、まったくの意を表す接頭辞
女の子
「ま」の読み方では、
「真衣ちゃん」(まい)16画
「真麻ちゃん」(まあさ)21画
「真緒ちゃん」(まお)24画
三文字では
「真奈加ちゃん」(まなか)23画
「真乃香ちゃん」(まのか)21画
男の子
「ま」で、
「匠真くん」(たくま)16画
「聖真くん」(しょうま)23画
「聡真くん」(そうま)24画
「しん」では
「真爾くん」(しんじ)24画
「真乃介くん」(しんのすけ)16画
参照 学研 漢字源辞書
常用字解 第二版(白川静/著 平凡社)
生と死のことば 中国の名言を読む(河合康三/著 岩波新書)