「流」
サンズイの水、流れるなど読み方や漢字のつくりからして、流されて良くない、自分の意志がなく流されるなどと言われています。
子どもが逆さまに流れている場面を漢字として表していると言われ、赤ちゃんの命名には避ける方が良いと思われているのかも知れません。
でも、「㐬(リュウ)」の字は「𠫓」と「川」に分けます。「𠫓」は「育(イク)」や「充(ジュウ)」に含まれて、赤ちゃんを逆にした文字です。赤ちゃんが頭を下にして生まれてくる姿を現しています。
「㐬(リュウ)」は赤ちゃんが生まれてくるときに、羊水と出てくる様子を暗示させるとも言われています。川に逆さになって落ちる子供を表しているという説とは、まったく真逆の説です。
ネット上にもママたちがよく閲覧するサイトに、命名に使ってはいけないと言われることが多く敬遠されていますが、流されることは、淀みがなくいつも清純であると言えるので決して悪い意味だけではないのです。
変化は誰しも戸惑い、今までの環境にしがみつこうとします。でも、変化はある意味、次のステップへ行くための避けては通れない道でもあります。流れに身を任せることも大切なときもあります。
いろいろな意味を含む漢字ですから、お父さんやお母さんが思う気持ちを込めて、命名に使える漢字でもあるのです。
頑固さの故事に含まれる文字
漱石枕流(そうせきちんりゅう)という故事の詩が中国にあります。その中に、流石(さすが)という単語が出てくるのですが、中国の頑固な知識ある人が友人に隠居したいという話をします。
石を枕(まくら)に流れに口を漱(すす)ぎと言うのです。
意味は、そろそろ俗世間から離れとて、川の流れで口をすすいで、石を枕として眠るような隠居生活を送りたいなぁということでしょう。
しかし、間違えて
石に口を漱(すす)ぎ流れを枕(まくら)にすると言ってしまったのです。
「石で口をすすいで、川の流れを枕として生活をしたい」と逆の読み方をしてしまったというお話です。
石で口をどうやってすすぐのでしょうか?流れをまくらに??と可笑しいのですが、
つまり負け惜しみを言ったんですね。漱石枕流には負け惜しみ、頑固者という意味があります。
後で間違いに気づいたのですが、この方はメンツが許さないのか、頑として間違えを認めませんでした。
そこで、友人はそれを皮肉って「流石(さすが)!」と言い表したのです。流石(さすが)知識のある人は言うことが違うというところでしょうか!
流石(さすが)の意味は、
- 負け惜しみの強いこと。
- ひどく無理矢理なこじつけのこと。
となっています。面白い例えから言葉ができているものです。
小説家の夏目漱石(ソウセキ)の漱石もこの故事に由来して名前をつけています。夏目漱石という名前はペンネームで、本名は夏目金之助です。自分のことを変わり者と思っていた漱石は、これをペンネームにしたと言われています。
10画の「流」・11画の「琉」・12画の「硫」
「りゅう」の読み方で画数を選んでつける場合に「硫」(リュウ)という漢字もありますが、火山から流れでた硫黄を漢字にした文字です。
「石」(いし)+「㐬」(流れる)=「硫」です。意味は硫黄(イオウ)で、硫黄の『黄』はその色からきています。
硫黄に関わる硫化水素(リュウカスイソ)、硫酸(リュウサン)などの熟語がほとんどで、硫黄(イオウ)は常用漢字の付表にある特別な読み方です。
「硫」に特に意味を持たすことは難しいでしょうが、人名漢字ですから画数で悩む場合に使えます。
「流」の意味や由来
会意兼形成文字です。「流れる水の象形」と「子が羊水と共に急に生まれ出る象形」から「流」という漢字が成り立っています。
「流」は、子どもが川に流れる様子が漢字になっていると言われています。「㐬」は、川に逆さになって落ちる子供を表しています。
「氵」(さんずい)=川に流れる子どもで+子(子供)+川=「流」です。意味は流れるで、流れるが基になり伝わる、広がるなどの意味にもつながっています。
㐬は「𠫓」と「川」で、「𠫓」は赤ちゃんの逆さ文字です。赤ちゃんが頭を下にして生まれ出る姿です。胎児が生まれる際、羊水と分かれて出てくる情景を表すともいわれています。
画数 10画
音読み リュウ、ル
訓読み ながれる、ながす
名乗り・名付け しく、とも、はる、いたる、ながれ
意味
1.水が筋を引いて分かれながれる
2.川のながれのように、分かれて広がる
3.水のながれのように、あてもないさま
4.とどまらず、変わりやすいさま
5.水の支流のように分かれて一派をなしたもの
6.広く、学問・技芸などの系統、またそのやり方流派
7.品位や階層によって人間を分けたもの
女の子
「る」
「流菜ちゃん」(るな)21画
「流璃ちゃん」(るり)25画
男の子
「りゅう」
「流碁くん」(りゅご)23画
「流輝くん」(りゅうき)25画