「靖」
「靖」の漢字からは、大人しく、真面目な様子が思い浮かびます。「静」は場を静めるようなイメージですが、靖は人柄や国、物事の鎮静を表す熟語に多く使われています。靖国は国家をやすらかにしずめ、治める意味があり、靖乱は、天下の乱れをしずめ、平和にするという意味があります。
靖共=静かで慎み深いこと。靖国=国家を安らかにする。靖綏=やすらか、安んじる。靖難=国難を平らげ定める。靖兵=いくさをやめる。靖辺=辺境を治め安んじる。靖乱=世の乱れを安定させる。
すべてが平和に通ずるようなイメージの熟語です。争いをやめ、平穏な生活を送ることを望むような感じです。「靖」って素晴らしい字です。人と人の争いを止めて、仲良くしなさいよ、との意味が込められているようです。
この字を含んだ名前の赤ちゃんは、人々に平和をもたらしてくれるかも知れません。落ち着いた行動で、いつも、冷静沈着な行動で、世を治めることの出来るような紳士淑女でありますように。
ちなみに、「靖」の旧字は「靖」です。これ幻となっている人名用漢字です。昭和37年1月20日~昭和56年9月30日までの間だけOKだったんですよ。
昭和56年5月14日の民事行政審議会答申で、戸籍法施行規則が改正されるにあたり、「靑」が子供の名づけに使えなくなる予定でした。それに合わせて「靖」もやめよう、という動きだったようです。昭和56年10月1日、戸籍法施行規則が改正に伴い、旧字の「靖」は子供の命名では使えなくなりました。新字の「靖」は、人名用漢字にそのまま残ったと言う訳です。
会意兼形声文字で、「立」と「青」。「青」がじっとして澄み切った水の色のことで、「静」と同じ意味を持ち清く澄んでいる、浄も澄んでいるの意味で、争いも収まり、静かなさまを指す。
画数 13画
音読み セイ、ジョウ
訓読み
名乗り・名付け
(おさむ、きよし、しず、のぶ、やす、やすし)
意味
- やすい、やすらか、やすんずる
- じっとして静かなさま
- 姓のひとつ
女の子
「やす」の読み方では、
「靖佳ちゃん」(やすか)21画
「靖菜ちゃん」(やすな)24画
男の子
「やす」で、
「明靖くん」(あきやす)21画
「武靖くん」(たけやす)21画
「靖理くん」(やすまさ) 24画
「せい」
「靖士くん」(せいじ) 16画
「靖也くん」(せいや) 16画
参照 学研 漢字源辞書
平凡社 白川静博士の漢字の世界へ